まばたき禁止令
2018/04/12
今度関ヶ原本を出すことになった身でこんなことを言うのもなんですが、わたし自身は関ヶ原合戦に対して強い関心がありません。同ジャンルの執筆予定も今のところゼロです。
では、なんでこちらに足を踏み出したかというと、そろそろ戦国時代以外に進みたかったのと、いま現物を手に取りにくい高橋陽介さんの論考をちゃんと世の中に流通させておく必要があると思ったからです。
今回の共著『天下分け目の関ヶ原の合戦はなかった』は、わたしが第一部で「豊臣大名の仁義なき闘い」(仮)と、第三部で「戦後処理と新時代の開幕」(仮)を担当しましたが、やはり高橋さんの担当した第二部の関ヶ原本戦がメインです。
わたしの担当分は、既存の史料と論考を眺めれば当然出てくるような説明ばかりで、オーソドックスなものになっています。ただ、文章が読み物としての体裁を重視する特異な作風なので、普通の歴史本に慣れている方は違和感を覚えるかもしれません(下図のような感じです)。
しかし、第二部は研究書として手堅くスマートな文章で、内容もかなり濃密です。こちらはぜひ蛍光ペンと付箋を用意して、まばたき禁止でお読みください。
4月23日に配本なので店頭に並ぶのはおそらく25日、平日の水曜日以降かも。翌日、寝不足になりませんよう、有給休暇を取っておくことをお勧めします。
河出書房新社『天下分け目の関ヶ原の合戦はなかった』
価格:1600円(税別)
ISBN:978-4-309-24860-8
映画1本ぶんぐらいの値段で、映画1600本ぶんの感動と絶望と、煌めきをあなたに。